SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム

最後まで観た。基本的なストーリー展開は前作と同じ。ライブに向けて始動、望まない形でのパフォーマンス披露、解散、エンディング。展開はいっしょでもそこにはそれぞれの葛藤がある。これを焼き直しと貶すのではく、それを好しとするのはこの映画にどっぷりハマッたからだろう。
偶然10年近く前、高校生のときに憧れていたタケダ先輩のことを耳にした“歩”がグループ『B-HACK』の再結成を呼びかけ…という導入。最初に駆けつけた仲間を見た瞬間、思わず息を呑んでしまった。安藤サクラじゃん!!知っている女優・俳優が出てくるとは思わなかった、というか初めて「愛のむきだし」で観て以来、ほかの映画でもそうだったけれど、スクリーンに出てくるとまず「怖い」とビビッてしまう。そういう女優がラップをしても純粋に役で見れない気がしたので動悸を鎮めるためにもいったん停止。心を落ち着かせてから再生すると昔(9年前らしい!)文化祭で披露したという設定のライブパフォーマンス映像のフラッシュバック。
20代のセーラー服!
停止!なんなんだこのボム……。
9年という長い年月が流れ、それぞれの生活があり、性格や音楽以外の趣味も合わなさそうな5人が簡単に再結成というのは都合がいいとはいえそこでウダウダやられても仕方がない気もするのでスルー。だけど、そんな簡単にフリースタイルできるもんかなー。下に見ているとかではなく、しばらく楽器を演奏していなくてもコードは覚えていたり難しい曲は指が回らなくなっていても簡単な曲なら弾けたりすることはあると思うんだけど、フリースタイルは(おそらく)9年もやっていなかったB-HACKにはあのレベルでは出来ないんじゃと思った。高校のときもフリースタイル中心でやっていたのではなく、一曲リリックつけた程度なんじゃないのかな。久々にやっていきなりあのレベルなら続けていたら今頃スゴいことになっていたのではと思ったり。でもそこで稚拙すぎるラップをやられてもノレないし、感情移入もできないのでここもスルー。
しかし、B-HACKの技術はさておき、IKKUとトムとのフリースタイルバトルになったときのSHO-GUNGの二人、ラップめちゃくちゃうまくなっている!!焚きつける役回りとなっているせいもあるんだろうけど、IKKUはあんなに自信持って初対面の女子相手にかませないだろー。そんなところから童貞じゃないと思う。
前作からそうだったけれど、長回しのカットが多い。割りすぎる必要もないと思うんだけど、もう少し動きをつけてもよかった。フリースタイルのところは少しつまんでいたけれど、他にはない動きのあるカメラワークでこういうのも撮るんだとなんだか感心した。音声の技術も上がっている(というか前作が下手な部分が目立っただけ)。
解散の辺りは特に語ることはないんだけど、エンディングで再度現れたIKKUとトムが同じ服装をしているのには噴いた。いったん埼玉に帰っているんだから、アクセは同じでも服装が二人とも同じままってのはないだろー。
10代のころ書いた夢を語るリリックを挫折だらけの『レペゼン20代後半』に書き換えラップするくだりは前作以上に熱いものがこみ上げてくる名シーン。きちんと伏線張っていたのも前作より脚本がしっかりしてきているのを感じた。
音楽もラップの曲数は前作よりも減ったけれど、フィメールラップでもキャラに合わせてつくられたリリックは前作以上に見事。スタッフロールの曲でも「B-BOYイズム」のサビ部分を用いてB-HACKの“美学”をラップさせているのは、前作を猛烈プッシュしていた宇多丸に対するメッセージなのではと思ったり。小技も効いている!でも後半から曲調が変わってから、声も似ていることもあって某フィメールラッパーのような感じになってしまっていたのが、いいような残念なような。みんな頑張っていたけれど、どうしても歩のフリースタイルだけはEAST END × YURIのYURIのように聴こえてしまった。でも早くサントラ欲しい!
上映まで数ヶ月はかかることを覚悟していただけに、いち早く観ることができたのは嬉しい。公開前作品で1,300円は安いなー。初めてPPV購入したので若干不安だったけれど、安い買い物だった。
SR1のDVD発売も決まったようで。どうせならBlu-ray…と思うけど、DVDでも即買い!

SR サイタマノラッパー [DVD]

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SRサイタマノラッパーO.S.T.

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追記:作中でやたら「ブラのひと」と連呼していたのをスルーしていたけど、前作でのMIGHTYのブロにかけているのかなと気付いた。となると3の栃木は鰤?海がないかー